お問い合わせ

東京都足立区

千住2丁目26番地

月~金: 9:00 - 18:00

営業時間

マンションの退去費用:日本でマンションを借りるなら知っておきたいこと

引っ越しのために梱包された段ボール箱

日本で賃貸住宅を退去する際、退去費用は賃貸契約の中でも特に分かりにくい部分の一つです。敷金はいくら戻ってくるのか、入居時にクリーニング費用を支払ったのになぜ退去時にも費用が発生する可能性があるのか、壁紙や床が単に年月の経過によって古くなっただけでも費用を請求されるのか、と疑問に思う方も多いでしょう。

すべての入居者に共通して同じ金額が請求されるわけではありません。日本には、通常損耗、入居者による損傷、原状回復などについて法律上の基本的な考え方や公的なガイドラインがあります。一方で、実際の賃貸借契約には、最終的な費用負担に影響する特約が定められていることもあります。

日本で賃貸住宅を借りる予定がある場合は、契約前にこうした違いを理解しておくことで、退去時の予想外の出費を防ぎやすくなります。


退去時にはどんな費用が請求される?

最終的な費用は、賃貸借契約の内容、物件の状態、そして入居時にすでに支払っている費用があるかどうかによって異なります。

請求される可能性がある費用には、次のようなものがあります。

  • 専門業者による室内クリーニング
  • エアコンクリーニング
  • 入居中に生じた損傷の修理費
  • 壁紙や床の原状回復費用
  • ペットによる汚れや損傷のクリーニング、修理費
  • 鍵の交換費用
  • 未払いの家賃
  • 契約書に明記されたその他の費用

重要なのは、これらがすべて同じ性質の費用ではないという点です

敷金、クリーニング費用、礼金、敷金の償却、原状回復費用には、それぞれ異なる目的があります。


公的なガイドラインだけでなく契約内容も重要

日本には、退去時の原状回復費用を貸主と借主のどちらが負担するのかについて、基本的な考え方を示した国のガイドラインがあります。

公開されている 国土交通省の復旧に関する指針では、日常生活や時間の経過によって自然に生じる劣化と、故意、過失、不適切な使用などによって生じた損傷は、原則として区別して考えられています。

つまり、退去するときに、築年数の経った部屋を新品同様の状態に戻さなければならないという意味ではありません。

ただし、このガイドラインはあくまで基本的な考え方です。実際の賃貸借契約には、特定の費用について異なる負担方法を定めた特約が含まれている場合があります。

代表的な例が、専門業者によるクリーニング費用です。通常のクリーニングは、次の入居者を迎えるための貸主側の準備と考えられる場合でも、契約書に一定額の専門クリーニング費用を借主が負担すると明確に定められていることがあります。

東京都の 国土交通省のクリーニング特約に関する考え方 では、借主の負担内容がどれだけ明確に記載されているか、負担する範囲を理解できる内容になっているか、金額が妥当かといった点も、特約を判断する際の要素となります。

そのため、一般的なガイドラインだけで判断するのではなく、自分が実際に締結する賃貸借契約の内容を理解することが重要です。

一方で、契約書に費用負担が書かれていれば、どのような場合でも必ずそのまま認められるというわけではありません。トラブルになった場合には、契約書の記載方法、事前の説明、金額、個別の事情などが判断材料になることがあります。


敷金は退去時にどうなる?

海外でSecurity Depositと呼ばれるものは、日本では敷金と呼ばれます。

原則として、敷金は賃貸借契約上の借主の債務を担保するために貸主が預かるお金です。

退去時には、未払い家賃や借主が負担すべき修繕費などが敷金から差し引かれることがあり、残った金額は通常、借主に返還されます。

ただし、重要な例外があります。


敷金の一部または全部が返金されない場合

契約によっては、敷金のうち一定額を最初から返還しないと定めている場合があります。

契約書では、「償却」や「敷引き」と記載されていることがあります。

例えば、次のような契約です。

敷金:1か月分

敷金償却:1か月分

家賃が10万円の場合、敷金として10万円を支払いますが、契約上その全額を返還しない条件になっている可能性があります。

別の例として、次のような契約もあります。

敷金:2ヶ月分

敷金償却:1か月分

家賃が10万円の場合、最初に20万円の敷金を支払います。そのうち10万円は契約上返還されない金額として扱われ、残りの10万円について退去時に精算されるという形です。

東京都の 国民生活センターのサイト でも、敷金からあらかじめ一定額を差し引く契約をめぐる実際の相談事例が紹介されています。

そのため、物件情報に敷金1か月と書かれていても、その1か月分がそのまま全額返ってくるとは限りません。

必ず次の点を確認しましょう。

  • 敷金の一部が自動的に返還されない契約になっていないか
  • 返還されない金額は何の費用として扱われるのか
  • クリーニング費用や原状回復費用が別途請求される可能性があるか

敷金に償却の条件があるからといって、将来発生するすべての費用がそこに含まれているとは限りません。


クリーニング費用と敷金は別のもの

日本で賃貸住宅を借りる際、特に重要なのがこの違いです。

敷金は契約上の債務を担保するために預けるお金で、必要な費用を差し引いた後に返還される可能性があります。

一方、クリーニング費用はサービスに対して支払う費用です。

例えば、契約時の初期費用が次のようになっているとします。

敷金:100,000円

礼金:100,000円

専門業者によるクリーニング費用:44,000円

これはそれぞれ別の費用です。

敷金は、契約内容や退去時の精算結果によって、一部または全部が返還される可能性があります。

礼金は原則として返金されません。

専門業者によるクリーニング費用は通常、サービスに対する費用であり、後から返還されることを前提として預けているお金ではありません。


なぜ入居時にクリーニング費用を支払うの?

海外の賃貸制度に慣れている方にとって、特に分かりにくいのがこの仕組みかもしれません。

日本の賃貸契約では、入居時に専門業者によるクリーニング費用を徴収する場合があります。しかし、その費用が実際に使われるのは、自分が入居する前ではなく、自分が退去した後のクリーニングであることがあります。

つまり、契約時に44,000円のクリーニング費用を支払ったとしても、それが鍵を受け取る前に行われたクリーニングの代金とは限りません。

将来自分が退去した後に行われる専門業者によるクリーニングの費用を、入居時に前払いしていることが多いのです。

東京都の 国民生活センターのサイト でも、入居時に室内クリーニング費用を支払った借主が、退去時に再びクリーニング費用を請求され、その内容について疑問を持った相談事例が紹介されています。

実務上、確認すべきことはシンプルです。

初期費用の明細にクリーニング費用が記載されている場合は、その費用が具体的に何を対象としているのか確認しましょう。

次の点を確認しておくと安心です。

  • 自分が退去した後のクリーニング費用として支払うものなのか
  • 退去時に通常のクリーニング費用が別途請求される可能性があるのか
  • エアコンクリーニングが含まれているのか、それとも別料金なのか
  • 著しい汚れや損傷がある場合には追加料金が発生するのか

特に重要なのは、入居時に支払うクリーニング費用と敷金を混同しないことです。


専門業者によるクリーニングには何が含まれる?

実際のクリーニング内容は、物件、管理会社、クリーニング業者によって異なります。

専門業者によるクリーニングは、単に掃除機をかけたり、目に見える場所を拭いたりするだけではありません。

サービス内容によっては、次のような清掃が含まれます。

  • 浴室の清掃
  • トイレ、洗面台の清掃
  • 水垢やカルキ汚れの除去
  • キッチンの油汚れの除去
  • レンジフードの内部や周辺の清掃
  • シンクや排水口周辺の清掃
  • 床の清掃
  • 備え付けの設備や機器周辺の清掃

そのため、自分できれいに掃除して退去したからといって、契約で定められている専門業者によるクリーニング費用が不要になるとは限りません。

部屋をきれいに使っていた場合でも、契約上の通常のクリーニング費用が発生することがあります。

ただし、通常のクリーニング費用を支払っているからといって、どのような状態で退去してもよいという意味ではありません。

ひどい油汚れ、落ちにくい汚れ、喫煙によるヤニや臭い、ペットの臭いなど、通常の清掃では対応できない状態については、契約内容や実際の状況に応じて追加費用を請求される可能性があります。


礼金はさらに別の費用

礼金と呼ばれるものは、日本独特の習慣かもしれません。

賃貸借契約を締結する際に支払う初期費用の一つで、原則として退去時に返金されるものではありません。

例えば契約内容が次のようになっている場合です。

敷金:1か月分

礼金:1ヶ月分

クリーニング費用:44,000円

このうち、退去時の敷金返還の計算対象となるのは、基本的に敷金の返還可能な部分だけです。

日本で賃貸物件を探す際には、入居時にいくら必要なのかだけに目が行きがちです。しかし、それぞれの費用のうち、何が返金される可能性があり、何が返金されないのかを理解することも同じくらい重要です。


原状回復費用とは?

原状回復とは、退去時に部屋を一定の状態に戻すことを指します。

ただし、原状回復という言葉から想像されるように、入居時や新築時とまったく同じ状態まで戻すことを意味するわけではありません。

国の 原状回復ガイドライン では、時間の経過や通常の生活によって生じた劣化と、借主が原因となって生じた損傷は区別して考えることが基本となっています。

通常の使用や経年変化にあたる可能性があるものとして、時間の経過による内装材の自然な劣化などが挙げられます。

一方、借主が費用を負担する可能性がある例には、次のようなものがあります。

  • 家具を移動した際につけた深い傷
  • ペットによる損傷
  • 焦げ跡
  • ひどいシミや汚れ
  • 喫煙による損傷や汚れ
  • 結露を繰り返し放置したことで悪化したカビ
  • 水漏れを報告せず放置したことで拡大した水濡れ被害

東京都の 賃貸住宅に関するガイドライン でも、通常損耗と借主負担を区別する際に、同様の具体例が紹介されています。

重要なのは、原状回復費用と契約上のサービス費用は別のものだということです。

特別な損傷を一切発生させずに退去した場合でも、契約で合意している専門業者によるクリーニング費用は支払う必要がある場合があります。


壁紙や床の経過年数も重要

借主に損傷の責任がある場合でも、古くなった設備や内装材を新品に交換する費用を、必ず全額負担しなければならないとは限りません。

政府の原状回復ガイドラインでは、一部の内装材や設備について、時間の経過による価値の減少が考慮されています。

例えば、すでに数年間使用されている壁紙を損傷した場合、その壁紙の経過年数が借主の負担額の計算に影響することがあります。

また、修理する範囲も重要です。

壁の一部分だけを損傷した場合には、なぜそれより広い範囲を交換する必要があるのか、また費用がどのように計算されたのかを確認してもよいでしょう。

ただし、こうした一般原則についても、賃貸借契約に有効な特約がある場合には、その内容とあわせて確認する必要があります。


実際にあった退去費用のトラブル事例

東京都の 国民生活センターのサイト では、2026年2月、賃貸住宅の原状回復をめぐる複数の相談事例を紹介しています。

こうした事例を見ると、実際の退去時の請求額が、借主が想定していた金額と大きく異なることがあると分かります。

壁紙と浴室の修理で17万円

ある家族が、賃貸住宅に6年間住んでいました。

退去後、壁紙の汚れや浴室ドアの修理などとして、合計17万円を請求されました。

管理会社によると、壁紙については経過年数を一部考慮した金額になっていたものの、借主は、一部の汚れについて通常損耗として扱われるべきではないかと疑問を持ちました。

この事例から分かるように、経年劣化を考慮して計算している場合でも、その損傷が何によって生じたものなのかをめぐって意見が分かれることがあります。


壁紙と畳で約20万円

別の借主は、約10年間ある部屋に住んでいました。

約6万円の敷金の一部について、契約時から一定額を差し引く条件が設定されていましたが、さらに退去時に壁紙の張り替えや畳の費用として約20万円を請求されました。

契約書には、これらの費用を借主負担とする条項があったとされています。

この事例から分かるのは、敷金の一部が返還されない契約だからといって、それですべての原状回復費用がカバーされるとは限らないということです。

契約内容や実際の状況によっては、追加費用が請求される可能性があります。


入居時と退去時の両方でクリーニング費用が発生するケース

別の相談では、エアコンクリーニング費用が問題になりました。借主は入居時にも同程度の費用を支払っていましたが、退去時に再び請求を受けました。

書類上では、退去時の室内クリーニングとエアコンクリーニングを借主が負担する旨が記載されていたとされています。

このようなケースがあるため、入居時に支払うクリーニング費用が何を対象としているのかを、契約前に具体的に確認することが重要です。


非常に高額な原状回復費用を請求された事例

国民生活センターでは、2025年に約90万円の原状回復費用を当初請求された相談事例も紹介しています。

借主が内容の見直しを求めた結果、請求額は約70万円まで減額されました。

借主によると、一部の壁紙や床には、入居前からすでに損傷があったとのことです。

このようなトラブルを防ぐためにも、入居前に撮影した写真が非常に重要な証拠になることがあります。


予想外の請求から自分を守るために

退去時のトラブルを防ぐための準備は、実は入居初日から始まっています。

荷物を運び込む前に、次の場所や状態を写真や動画でしっかり記録しておきましょう。

  • 壁
  • 床
  • ドア
  • 窓
  • キッチン
  • 浴室や洗面設備
  • すでにある汚れやシミ
  • 傷
  • カビや水濡れ跡
  • エアコンなどの備え付け設備

管理会社から入居時の状態確認書が渡された場合は、内容をよく確認して記入しましょう。

入居前からある損傷を見つけた場合は、写真や文章で管理会社に伝え、いつ報告したのかが分かる記録を残しておくことをおすすめします。

東京都の 国民生活センター も、入居時に賃貸住宅の状態を確認し、記録しておくことを推奨しています。

入居中に水漏れや設備の不具合などが発生した場合も、できるだけ早く管理会社へ連絡しましょう。放置したことで被害が拡大すると、借主側の負担が増える可能性があります。

退去時には、荷物をすべて運び出した後に、もう一度部屋全体の写真を撮影しておきましょう。

敷金から費用が差し引かれる場合には、何にいくらかかったのか、明細を確認することも大切です。


東京で賃貸住宅を借りる方が知っておきたいこと

東京都には、住宅の賃貸借をめぐるトラブルを減らすための独自の仕組みがあります。

東京都の 賃貸住宅トラブル防止ガイドライン では、原状回復の負担や契約上の特約について説明されています。

東京都内の対象となる賃貸取引では、不動産会社は原状回復や修繕に関する重要事項について、一般原則と異なる特約も含めて説明する必要があります。

東京を含め日本で賃貸住宅を探している場合は、この説明の機会を利用して、契約前に分からない点を確認しましょう。

クリーニング費用、敷金の償却、原状回復に関する特約、その他の費用について不明な点があれば、それが何を意味し、どのタイミングで適用されるのかを確認することが大切です。


契約前に必ず確認しておきたいポイント

一番大切なこと、それは契約を結ぶ際、契約書をしっかり確認することです。

賃貸借契約を締結する前に、次の点をすべて確認しておきましょう。

  • 敷金:いくら支払うのか、そのうち返還される可能性がある金額はいくらか
  • 敷金の償却:償却や敷引きの条件があるか、一定額が自動的に返還されない契約になっていないか
  • 償却の対象:敷金の償却とは別に、クリーニング費用や原状回復費用などが請求される可能性があるか
  • 専門業者によるクリーニング費用:通常のクリーニング費用はいくらか
  • クリーニング費用を支払う時期:入居時に支払うのか、退去時に支払うのか
  • 入居時に支払うクリーニング費用の目的:自分が退去した後のクリーニングに使われる費用なのか
  • 追加のクリーニング費用:ひどい油汚れ、水垢、喫煙による汚れ、ペットの臭いなどがある場合に追加費用が発生するか
  • エアコンクリーニング:通常の室内クリーニング費用に含まれているのか、別料金なのか
  • 礼金:どの金額が礼金にあたり、原則として返金されない費用であることを確認
  • 原状回復の条件:壁紙、床、畳、ドア、設備などについて、どのような費用負担が定められているか
  • 特約:一般的な原状回復の考え方とは異なる借主負担の条件が契約書に含まれていないか
  • 鍵交換費用:必ず発生する費用なのか、それとも一定の条件に該当した場合だけ発生するのか
  • ペットと喫煙:追加の敷金、クリーニング費用、原状回復に関する特別な条件があるか
  • 解約予告:退去の何か月前までに貸主または管理会社へ通知する必要があるか
  • 短期解約:入居から1年以内など、一定期間内に解約した場合の違約金が設定されていないか
  • 敷金の最終精算:差し引かれる費用をどのように計算するのか、残った敷金はいつ返還されるのか

最も重要なポイントはシンプルです。

日本では一般的にこうなるはず、というイメージだけで判断しないことです。

必ず自分が締結する契約書の内容を確認しましょう。


本当の賃貸費用を理解するために

それぞれの費用を分けて考えると、退去費用はずっと理解しやすくなります。

敷金は契約上の債務を担保するために預けるお金ですが、契約に償却の条件がある場合は、その一部または全部が返還されないことがあります。

専門業者によるクリーニング費用は、敷金とは別のサービス費用です。自分が退去した後に行われるクリーニングのための費用であっても、入居時に徴収される場合があります。

礼金も別の初期費用であり、原則として返金されません。

原状回復費用は、物件の状態や、一般的な原則と個別の賃貸借契約で定められた借主の負担内容によって決まります。

こうした違いを契約前に理解しておけば、物件ごとの費用をより正確に比較でき、退去時の思わぬ出費も避けやすくなります。


契約条件が分かりやすい東京の住まい探し

敷金、クリーニング費用、原状回復費用について知ると、物件を決める前に、費用や契約条件をきちんと理解するにはどうしたらよいのかと感じる方もいるかもしれません。特に、一つの賃貸借契約に複数の費用が記載されている場合、契約前にそれぞれの意味を明確にしておくことが大切です。

東京で保証人なしで借りられる賃貸物件をお探しですか。それとも、物件を決める前に費用や契約条件をしっかり理解しておきたいとお考えですか。

Tokyo Homesでは、海外から日本へ来る方や日本で暮らす国際的な入居者の方に向けて、英語とスペイン語で希望に合う賃貸物件をご紹介し、契約までの手続きをサポートしています。物件探しから契約内容の説明まで、賃貸に関する一連のプロセスをお手伝いし、ライフスタイルに合った住まいを見つけられるようサポートします。

ご希望の条件に合わせた物件についてお気軽にお問い合わせください。